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ユー・えふ・おー
ある日、僕の前にUFOが降り立った。
中からは、何かモニョモニョした物体……そもそも物体だったのかどうかもよくわからない。
それが僕を取り囲み、なすすべも無く僕は僕じゃなくなってしまった。

UFOは常に僕の頭上を占有していて、ご飯を食べていても、トイレに入っていても、寝ていても、それは常にある。
電車に乗っても変な目で見られることは無いから、もしかしたらこのUFOは僕の知らないうちに世間では常識となっていたのかもしれない。
いや、多分そうなんだろう。だって誰も「そのUFOはなんですか?」って言って来ないし。

僕を占有するアイツは、時々僕の手を汚す。それは土だったり、油だったり、血だったり。色々、様々だ。
そしてそんなときに限って、僕に僕の身体を返す。
だから当然、僕は人々に何も知らないと言うけど、誰もそんなことを信じてはくれない。
「ほら、ソコにあるUFOだよ。犯人はヤツだ」と言っても、彼らは僕から目を離さない。
それはそうだ、UFOが常識となっているんだとしたら、誰も気になんてしない。
蛇口から水が出ることを「なんで?」と思う人なんていないのと同じだ。

だから僕は、アイツとUFOを壊すことにした。
夜中にこっそり手を伸ばしてみたら、あのフヨッと暖かい表面に触れることが出来たから、大丈夫だろう。
あとは何か固いモノで殴れば、衝撃でアイツもUFOも破壊できるに違いない。シミュレーションは完璧だ。

次の日から僕は、僕が僕でいられる短い間に実行へと移せるよう、金属バットを常に背中へ忍ばせておくことにした。
さぁこれでいつでも叩けるぞ。はやく僕の手を汚すんだ。
でもそういう時こそ、アイツは動かない。僕の手は汚れひとつ無く、綺麗なままだった。
ヒドいヤツだ。僕の身体を好き勝手できるからって、僕の望まないことばかりを選んで行動しているんだろう。
親の顔が見てみたいと思ったが、そもそもUFOから出てきたヤツに親なんているのかも謎だ。
誰にも教育をしてもらえなかったから、こんなひねくれた性格に育ったんだろう。

そんな悪態をついていると、いつの間にか僕は僕になっていた。手を見ると真っ赤に濡れている。
相変わらずヒドい臭いだ。この悪臭がイヤで、アイツは僕に身体を返すんだろう。
ともあれ、ようやく回ってきたチャンスに、僕は背中から金属バットを取り出す。
よく見るとそれはゴルフクラブだったけど、別に野球をしようって言うわけじゃ無いから、どちらだって問題無い。
アイツと、アイツのいるUFOを叩くために思いっきり振りかぶる。
さぁ、これで全部終わりだ。これで元の生活に戻れるぞ。
僕は力の限り、宙に浮かぶUFOへゴルフクラブを思い切りたたきつける。

その瞬間、僕の目の前は真っ暗になって。
僕は僕でも、アイツでもなくなった。

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どうしたのかと言われると、別にどうもしてないんだけど、どうかしていたとしか思えない。
そんな、とある秋の木曜日。

【2013/10/03 21:33 】
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